それぞれメリット・デメリットがあるけれど、
今回は「手動ミルがほしい!」と思った時の選ぶポイントを紹介しようと思う。
そして、私がおすすめする手動ミルも合わせて紹介、比較しておく。
手動ミルの選び方
『良い手動ミル』とは何か
粒の均一性というのは挽いたコーヒー粉の粒の大きさがどれだけ揃っているのかということ。
なので、コーヒー豆をどれほど均一な粒度で粉にできるかということがコーヒーミルにとっては重要視される。
一般的にコーヒー粉の粒度が均一であるほど、雑味のない美味しいコーヒーが抽出できると言われている。
というのも、コーヒーは挽いた小さなコーヒー粉1粒の中にも、様々な味の成分が含まれている。
そのため、粒の大きさが違うと、抽出される成分が均一にならないのだ。
例えば、大きめの粒から抽出されたコーヒーは美味しいコーヒーでも、
小さく挽かれたコーヒー粉からは抽出されすぎてエグみが出てしまうかもしれない。
なので、性能だけ見れば、良いコーヒーミルとは『粒を均一に挽けるコーヒーミル』ということで間違いない。
そして、性能以外では『デザイン』と『使い勝手』の2つが挙げられると思う。
特にこの『使い勝手』の部分も重要なポイントだ。
どんなに高性能でも使いやすいと感じるポイントは人それぞれ違うし、
さらに、用途によっても選ぶコーヒーミルは変わってくる。
アウトドアや旅行に持っていくなら、軽くて丈夫なミルがいいしね。
手動ミルの性能の違い
デザイン、大きさなどはもちろん、価格も数千円のものから3万円を超えるものまである。
『どうしてそんなに価格が違うのか?』と不思議に思ったことはないだろうか。
もちろん高ければいいというものではないし、コーヒーミルにかけれる価格も人それぞれ違うと思う。
デザインで選ぶもよし、価格で選ぶもよし、性能で選ぶもよし、用途で選ぶのももちろんよし。
ただ、3万円を超えるようなミルは『どうしてそんなに高いのか』を知っていると
コーヒーミルを選ぶ際に大いに役に立つと思うので、合わせてその理由を紹介できたらと思う。
ミル刃の種類と比較
ミル刃には、セラミック製のものと金属製のものの2種類ある。
コーヒーミルを選ぶ時にこの刃の材質を最優先するという人は少ないかもしれないが、
いくつかのミルで悩んだ時に知っていると役立つ。
- 金属製のミル刃はセラミック刃に比べて、『鋭利』で切れ味が優れている
- その反面、刃こぼれしやすいとも言える
- 金属臭がする
- 摩擦熱が発生しやすい
- 静電気が発生しやすい
- セラミック刃は加工が難しく、金属刃に鋭利でなく、切れ味が劣る
- 熱伝導性が低いので静電気の発生が金属製に比べて少ない
- 水洗いできる
- 硬度が高く、摩耗にも強い
実はいわゆる高性能と言われている高価なミルは、金属製のものが多い。
というのも、粒を均一にするために、潰すのではなく、切るようにコーヒ豆を粉砕するようにしているためである。
頭の中でなんとなくイメージすると分かりやすいが、潰すよりも切るほうが均一になるからだ。
つまり、切るようにコーヒー豆を粉砕するためには、鋭利な刃が必要不可欠というわけだ。
さらにそれを実現するためには、鋭利でありながら、それでコーヒー豆を粉砕しても刃こぼれすることが少ない密度の高い高品質の金属を使用することが必要になる。
そうやって加工の難しい高品質なステンレスを鋭利に加工しているというのが、評価が高く高性能とされているミルには多い。
こういうミルは挽くのも早く、力も驚くほど必要ない。
ただ、上記のそれは、あくまで参考であり、水洗いできて扱いの楽なセラミックを好む人も多いと思うし、
それこそ、そこまで高性能を求めないならセラミックを選んだほうがいいような気がする。
また、刃の形状については、電動ミルは刃に様々な形状や特徴があるが、
手動ミルの刃は基本的にコニカル刃というものになる。
段階的に細かくしていくので、粗挽きよりも細挽きの方が粒の均一度が高く、得意としている。
基本的には上の写真の構造の形状のものがほとんどだが、
下の写真のようにコマンダンテなど研究した独自の刃の形状を使用しているものもある。
構造で重視すべきこと
ミル刃を回転させる際、軸がブレてしまうと、粒の均一度もブレてしまうからだ。
性能がいいミルは特に軸を安定させるためにベアリング(軸受)という軸を固定する部分のパーツを増やしたりしていることが多い。
コーヒーミルの説明欄などでよく「ベアリングを2つ使用」と書いてるのを見かけることもあると思うが、
それらは軸を安定させ、均一度を安定させるためなのである。
『ミル刃』と『構造』を重視すればいいことが分かったと思う。
次に、使い勝手とデザインの2つを見ていく。
例えば、初めてコーヒーミルを購入したのに、使い勝手が悪いと使わなくなってしまう。
自分の生活スタイルや性格に合ったコーヒーミルを選ぶことはとても重要だ。
手動ミルの使い勝手とデザイン
挽きやすさ
各メーカーで、長さを決めるのにも何度も試行錯誤を重ねた上で決めていると思うが、
その使いやすさは好みもあるので使ってみないと正直分からない。
さらに、ツマミの部分の大きさやデザインも様々で、ここも好みによって分かれるところだと思う。
そして、安定性に関して言えば、置いて使うなら、重いほど挽きやすい。
このカリタのダイヤミルなんて両手で持ってズシッと思いのだけれど、挽く時は、力はあまり必要ない。
置いている間ホコリが入ってしまうのが気になるので蓋があるタイプがいい。
また、手で持って使うタイプなら、持ちやすさが重要。
挽きやすさで考えるなら、持って使うタイプの方が使いやすく感じる。
使いやすさ
『挽き具合の調節のしやすさ』と『掃除のしやすさ』の2つが重要になってくる。
その他にも上のネジを回して調節するものなどがある。
手動ミルにおいては挽き具合を調節する際、少し挽いてみて確認して、、という
少し面倒くさい作業が発生する。
挽き具合を頻繁に変えるなら調節が楽なものを選ぶことをおすすめする。
私はあまりそこまで神経質に毎日掃除するタイプではないけれど、
コーヒーの粉がコーヒーミルに残っていると、そのコーヒー豆が酸化して、味にも多少影響を及ぼす、、と言われている。
掃除はしやすいにこしたことはない。
構造はシンプルなものから少し複雑なものまでいろいろあるけど、一度覚えてしまえばどれもそんなに大変ではないと思う。
そうやってるといつの間にか終わってる。
私だけかもしれないが、掃除はちょっと楽しかったりする。
手動ミルのデザイン
どうせなら、デザインだって気に入ったのを選びたい。
人によるとは思うけれど、私にとってはデザインはかなり重要な問題だ。
使っていてニヤニヤしてしまうコーヒーミルを使いたい。
私の場合、コーヒーに限らず木を使われた器具があたたかみがあって好きだけど、
スケルトンにすればコーヒー豆が挽かれるところを見ることができるし、ステンレスでも質感や色によって全然違う。
そしてつまみやハンドルの、本体の太さ、重さなどのデザインによって挽きやすさも変わってくるのでデザインが好みでありながら、自分が挽きやすい、使いやすいコーヒーミルを探すことになると思う。
コーヒーミルは、通常、、、ではあるが、一度買うとそれを使い続ける。と思う。
この辺が曖昧な表現なのは、コーヒーにハマってくると、
必ずと言っていいほどみんなコーヒーミルにはまることが多いからだ。
なぜか次々にさらなるいいコーヒーミルが欲しくなるのよね、、、。
だが、通常は一度買えば何年もそれを使うことになると思うので、
やっぱりデザインも使い勝手もいいお気に入りのコーヒーミルをじっくり選んで買う価値はあると思う。
特に最近はコーヒーミルがほんとにたくさん販売されているから、デザインで選ぶとなるとほんと悩ましい。
幸せな悩みだ。
横に回すタイプの方が一般的だが、一概にどちらがいいというわけでなく…好み。
だが、縦に回すタイプは持ち運びできない。
蓋がないミルの場合、挽いている時に豆が飛んだりすことがある。(特に浅煎りのコーヒー豆の場合)
蓋がない方が挽いている時の香りを楽しめるという方もいるかもしれないが、
蓋をあけて挽けるコーヒーミルを選べばいいし、
私は置いている間にホコリなどが入ってしまう方が気になるので基本的に蓋があるものをおすすめしている。
インテリアとしておくなら、サイズも少し大きめの置いて使うタイプのものが可愛い。
置いて使うタイプのコーヒーミルはある程度重さがあったほうが挽きやすい。
というのも、結構力をいれて回す必要があるので、しっかりと固定させたいから。
なので、軽くても持ちやすく、力を入れやすい構造なら、重くなくても、もちろん良い。
一方で筒状のものは家で使うだけならいいが、アウトドアで使うならあまり重いと負担になることもある。
用途によって選ぶ
一番多いのはアウトドアや旅行先でコーヒーを挽いて飲みたいという用途だろうと思う。
特に最近増えているアウトドアで楽しむコーヒー。
持ち運びのしやすさはもちろん、軽さや丈夫さ、サイズ選びも重要になってくる。
例えば、私が愛用しているミルの1つコマンダンテは、すごく引きやすくて優秀だけど、粉受け部分がガラスなのでアウトドアにはあまり向かないかなと思っている。
かと言って大きすぎたら、手荷物になってしまうし、本体が大きくて使いづらいかもしれない。
何事もバランスだと思うけど、サイズ(容量)の確認はお忘れなく。
おすすめのコーヒーミルと比較
ここではまず、定番手動ミル・有名高性能ミル・アウトドア向きコーヒーミルなどを紹介するとともに私のおすすめも紹介していく。
定番のコーヒーミル
海外を挙げるとキリがないが日本で手動ミルで知られているのは
コマンダンテや伝統あるザッセンハウスなどだろうか。
その他私がよく見ているメーカーなども合わせて私の定番として、ここでは紹介していく。
手動ミル・電動ミルともに種類が多いが、特に手動ミルはクラシックなものからカジュアルなものまで種類が多く、エントリーミルとしてもおすすめ。
国内の信用できるメーカーというところも大きい。
刃はセラミック刃で水洗い可能。お手入れが簡単で価格も2,000円台ととてもリーズナブルだ。
アウトドアにも使え、エントリーミルとしてもいい。万能感がある。もちろんハリオはその他にも多くミルを出している。
ザッセンハウス ミル ラパス、ミル サンティアゴ、ミル ブラジリアなどアンティークのような木を使用したデザインはたまらない。
強靭な刃と螺旋を組み合わせた二重螺旋構造で、軽快でスムーズな挽き心地が魅力。
また、プジョーのアンティークのコーヒーミルはなんとも言えぬ良さがあって、好きな人にはたまらない。私は飾るためだけに欲しかったりもする。
高性能のコーヒーミル
その分価格が2万〜4万円ほどすることが多い。
均一に挽けるのはもちろんだが、力もさほどいらず回転数も少なくあっという間に挽き終わる。でも、それだけの価値があるコーヒーミルだと思う。
刃にはニトロブリューという特殊な金属を使用していて、加工は難しく職人の技の賜である。
そのため常に品薄でなかなか手に入りにくい。
デザインも木を使用していて、私も持っているがすごく気に入っている。
一番の特徴は挽き具合の調節を本体底部でなく、外側上部でできること。
つまりのところ、とにかく簡単に挽き具合を調節できるのが魅力だ。もちろん粒も揃っている。
高性能だが、特にエスプレッソ向きだ。(エスプレッソ以外は少々均一度が劣る)エスプレッソに関しては、ふっわふわの細かい粉が出来上がるのでエスプレッソメインの人におすすめ。デザインも個性的で私はすきだ。
アウトドアにおすすめのコーヒーミル
今はいろんなコーヒーミルが発売されているので評価は様々だと思うが、こういう筒状でシルバーでアウトドア向きのコーヒーミルの先駆けは日本においては、このポーレックスだと思う。
そして、さらに現在はアウトドアブームも相まってたくさんのアウトド向きのコーヒーミルが発売されている。
ここでは私が実際に使ってよかったものや、よく目にする定番のアウトドアコーヒーミルを紹介する。
Timemoreからはいくつかコーヒーミルが発売されているが、私はデザインもこのNANOが一番好きだ。
サイズは本当にコンパクトで最低限の容量で約15gまで。
私が1人用のミルとしてアウトドアに行くならこれを選ぶ。
性能はほぼそのままに、サイズが小さく。挽き具合の調節はZproと違って本体底部で行う。
アウトドアでこれだけ高性能のミルなら最高。
RIVERSのものはアウトドア向きのものがとても多い。
そしてほどよくカジュアルでシンプルなデザインに人気も高い。
私の気になるコーヒーミル
1つ1つ丁寧に作られたコーヒーミルは、下がメイソンジャーのガラス瓶になっている。デザインがすごく好み。
最近はとにかくたくさんのコーヒーミルが販売されているため、悩むことも多いと思う。
私のおすすめは、、最初はなんとなく、、でレビューの良いミルを買うのもいいと思う。
使っていくうちに「こういうのがいいな」とか、「ここがね、、」とかいろいろ感じたら、また買えばいい。
まずは、実際にミルを使ってみるということをとにかくおすすめします。