シアトル発のコーヒーグラインダーブランド BARATZA(バラッツア)。
実は、エスプレッソ用にいい電動ミルがないかとずっと探していた。
そりゃ価格が高くなればいくらでもいいミルはあるかもしれないが、
私はお店を出すわけじゃないので自分が満足できればいい。
エスプレッソは、私は毎日飲むわけではない。
でも、やっぱり美味しいのがいい。
そして、これは私だけかもしれないが見た目(デザイン)はやっぱり好みなのがいい。
さらに欲を言えば、お手入れは簡単なのがいい。
ということでエスプレッソ用の電動ミルが欲しいな、、と思い始めて数年。
やっとエスプレッソ用のコーヒーグラインダーを購入した。
ちなみによく聞かれるし、誰もが欲しいと思っていると思うのだけど、
エスプレッソ用にもドリップ用にも挽くことができるいいコーヒーグラインダーはないのか、、と。
あくまで家庭用の電動コーヒーミルの話だが(私は基本的に家庭用しか試したことない)、
個人的な意見としては味を重視するならエスプレッソ用のコーヒーグラインダーと
ドリップ用のコーヒーグラインダーは分けた方がいいと思う。
というのも、エスプレッソとドリップ用、どちら用にも挽くことができるコーヒーミルというのは、
基本的にエスプレッソ用に挽くことができるコーヒーミルの幅を広げてドリップ用にも挽けるようにしたものになると思う。
(エスプレッソ用に挽くことができる刃を使用しないといけないから、
ドリップ用に合わせて作られたミル刃ではエスプレッソ用に挽くことはできない)
そうなると、エスプレッソ用の刃でドリップ用に挽くわけだから、どうしても粉の粒度にばらつきが出てしまう。
これが、いつもドリップコーヒーを淹れている私にとっては気になってしまうばらつき度。
ということで、私はドリップ用とエスプレッソ用のコーヒーミルを結局分けることにした。
この考え方は、エスプレッソとドリップの淹れる頻度・回数とかにもよると思う。
お金もかかるし、場所も取るし。
さて、今回私がエスプレッソ用にと選んでみたのは BARATZA(バラッツァ)のSette270wi。
選んだ理由としては、
まずはもちろんしっかりとエスプレッソ用に挽けること。
お手入れが簡単であること。
サポートがしっかりしていること(実は今回かなりお世話になった)。
使い勝手は慣れるまで少しコツが必要かもだが、個人的には概ね満足している。
BARATZA バラッツァ
BARATZA Setteシリーズの種類
実は最初、ドリップ用のSette270wiをエスプレッソ用と勘違いして紹介してしまった。
というのも海外ではエスプレッソ用、ドリップ用、刃を変えるとどちらでも使用できる。
が、日本の正規代理店では機種によって付けられている刃が決まっている。
まず、BARATZAのsetteシリーズには以下の3種類がある。
- Sette30(セッテ30)
30段階から挽き方が選べ、0.1秒単位で時間を設定。 - Sette270(セッテ270)
マクロとミクロの2つの調整で、270段階の粒度設定が可能 - Sette270wi(セッテ270wi)
マクロとミクロの2つの調整で、270段階の粒度設定が可能
acaiaの高性能スケールを搭載
日本の正規で販売されているBARATZAのグラインダーは、
Sette30、Sette270wiはドリップ向きの刃、Sette 270はエスプレッソ向きの刃が搭載されている。
(Sette270wiにエスプレッソ用の刃を組み合わたものの販売は現在検討中とのこと)
(BARATZAの日本正規代理店は、ブルーマチックジャパン株式会社)
ところがアメリカでは、モデルごとにそれぞれの刃を搭載したものが販売されている。
そう、私は海外のBARATZAのサイトで確認してしまった。
つまり、現在のところ日本の正規で買うと以下のようになる。
- Sette30(セッテ30)ドリップ向きの刃
30段階から挽き方が選べ、0.1秒単位で時間を設定。 - Sette270(セッテ270)エスプレッソ向きの刃
マクロとミクロの2つの調整で、270段階の粒度設定が可能 - Sette270wi(セッテ270wi)ドリップ向きの刃
マクロとミクロの2つの調整で、270段階の粒度設定が可能
acaiaの高性能スケールを搭載
よって、現在日本でSette270にドリップ向きの刃を搭載しているものがあれば
正規のではなくて並行輸入品ということになる。(しつこいけど今のところ。買う際にしっかり確認してください)
エスプレッソ用のミルを購入したつもりの私はかなりショックを受けたわけだが、
エスプレッソ用の刃のパーツを購入し付け替えれば大丈夫とのこと。
私は現在エスプレッソ用の刃を購入し、Sette270wiにエスプレッソの刃をつけて使用している。
付け替えてみてよく分かったが、実際はドリップ用となっていてもエスプレッソ用で使えるほど細く挽くことができるのでエスプレッソ用に変えなくてもエスプレッソに使える。
ちなみに、刃を変更するには刃とホルダーを購入する必要がある。
参考までにパーツの価格を書いておく。送料は別途。
- BA内刃APエスプレッソ:5,720円(税込)
- BA内刃ホルダー:1,738円(税込)
※2021年7月6日追記 -上記金額訂正-
金額に訂正がありました。すいません。
銀行振込・代引きにて購入可能。
(振込手数料は自己負担・代引きは手数料が別途300円/税抜)
購入の際は、オンラインショップには売っていないので
ブルーマチックジャパン株式会社のコールセンター問い合わせを。
045-947-0804
また、このエスプレッソ用の刃はSette30にも取り付け可能。
自分で刃を付け替えた場合は、保証ができかねるとのことだ。
さて、前置きがだいぶ長くなってしまったが、早速使い勝手や挽き具合についてなどのレビューを。
BARATZA Sette270wiを使ってみる
まずはデザインは、あまり見ないデザインな気がする。
横から見るとこんな感じ。
特に前から見ると、シュッとシンプルで私はとても気に入っている。
性能・使い勝手については実際に使う手順で説明していく。
1. まずは、コーヒー豆を入れる
このSette270wiの大きな特徴の1つがスケールが内蔵されていること。
しかもacaiaの高性能なスケールが入っている。
ただ、その分価格は上がるけど。
家庭用として1日に1〜2回程度使うためなら、正直私はなくてもよかったかなと思うけど、あるとやっぱり便利でもある。
特にエスプレッソを極めたいならやっぱり便利。
スケールがついているので、基本的にはホッパーにたくさん豆を入れて使う分だけ量りながら使っていくのがいい。
ホッパーの後ろには豆のストッパーもついているので、豆を入れた状態でホッパーを取り外したい時はすごく便利。
(豆が詰まってしまった時とか、掃除したい時とか)
最初に言っておくと、お手入れに関してはとても優秀だと思う。
シンプルな構造なので掃除しやすい。
2. 重さをはかる
次に使用する重さを量る。
Sette270wiでは、3パターンの重さを登録できる。
左の1・2・3と書いてある3つのボタンに重さを登録。
登録するときは、重さを決めたら設定したボタンを長押しするだけ。
とても簡単。
また、重さをはからず手動で挽きたい時は、スタートボタン(▶︎)を長押しするとピーという音とともに液晶画面に「P」という文字が表示される。
そうなったら、スタートボタンを押している間だけ挽くことができるようになる。
3. 挽き具合を調節する
挽き具合は、名前にもついている通り270通りの調節が可能となっている。
すごい。
挽き具合の調節方法は、マクロ用調整部とミクロ用調整部の調整部分が2段階に分かれている。
マクロ調整部で大体の粒度を調節し、ミクロ調整部でさらに細かく設定するという仕組み。
この挽き具合の調節部分が、慣れるまでは少しやりにくい。
まず、ミクロ調整部の位置を『E』の部分に合わせて、
その状態でマクロ調整部を回転させて挽き具合を調節する。
慣れると何となくコツもわかってくる。
4. 挽く
挽く時は、スタートボタンを押すと設定した重さまで挽いてくれる。
最初多少誤差があるが、同じ豆を使っていればだんだん正確になっていくとのこと。
当たり前だが、このアームの部分で重さをはかっているので、
挽いている最中にアームに触れたり、動かしたりすると止まってしまったり
数値がリセットされてしまうことがあるので注意。
さらにこのアームの部分にはエスプレッソ用のポルタフィルターやドリッパーもセットできる。
ただ、正直にいうとこのアームのところがすごく使いにくい。
個人差はあると思うが、私は今回このBARATZAの一番の残念なところがこのアームの部分。
というのは、下の画像のように一応ポルタフィルターも直接セットできるようになっている。
ところが、ポルタフィルターのサイズが小さいとうまく引っ掛からず落ちてしまうし、
セットしてもちょっと斜めに傾いたりしてしまって結構セットに時間がかかってしまう。
ちょうどガチッとハマるサイズならいいのかも。
また、ドリッパーもセットするまではいいものの、ドリッパーが本体に触れてしまうと正確な重さがはかれないとのことで、ドリッパーによっては使えない。
かなりドリッパーを選んでしまう印象だ。
(私がセット下手なだけかも知れないけど、いろんなドリッパーで結構試した)
何度もいろいろ試したけど、結局は付属のプラスチックの粉受けを使っている。
諦めてこれを使いだしてからは、安定してストレスがなくなった。
だから、、、このアームだけは私はとても使いにくくて残念なところ。
ただ、この感じ方は人によるとは思う。
5. お手入れ
上の方でも少し触れたが、お手入れはすごく簡単。
上の画像のように下から刃を持って、ぐるぐると時計回りに回転させると、刃がスッと取れる。
逆に刃を付けるときは、青い印に合わせて刃を押し込み、回転させれば取り付け完了。
コーヒーミルは、私はそんなにマメな方じゃないので毎日丁寧に掃除するというわけではないけど、
それでもやっぱり掃除は必ずするからお手入れ方法は簡単な方がいい。
その点ではかなり優秀。
ここまでは、使い勝手の部分について。
次は気になる実際の挽き具合などについて。
挽き具合
さて、一番気になるのがこの挽き具合だと思う。
結論から言ってしまうと、エスプレッソ用に使うには、今のところ私は問題なく快適に使っている。
Setteシリーズは、外側のバリまたはリングバリが回転し、
地面をまっすぐ通過できるようにする革新的なギアボックスとバリセットの設計を実装しているとのこと。
エスプレッソ用に挽けばふわふわに。
ただ、、私はあまりエスプレッソ用の電動ミルを使ったことがないから他と比較できず申し訳ないのだが、
以前頂いたROKの手動のコーヒーグラインダーと比較すると、
手動だから違うというのはあると思うけど、ROKの挽き具合の細さやふわふわさには全然かなわない。
これはやはり手動だから?
他のエスプレッソ用電動ミルと比較できず、すいません。
でも、ROKの良さを改めてここで知る。
とは言え、電動だからやはり便利。
いつも使っていて挽き具合において不満を感じたことはない。
普段はこれを使って、時間がある時はROKを使ったりしている。
また、粗い設定にすれば、ドリップ用としても使えると思う。
でも、やはりドリップ用にしては均一度はまあまあ。
エスプレッソメインで使うためのコーヒーミルだと思う。
そして、最初に言ったように刃を付け替えているのでせっかくだから比較しておこう。
下の画像は、ドリップ用の刃とエスプレッソ用の刃で、マクロ調整部でいちばん細く挽いたものの比較。
これはかなりかなりアップにしているので、一見粗く見えるドリップ用の刃を使用している方でも、ドリップ用のコーヒーミルにしてはかなり細く挽けていて、Flairなどは問題なく使用できる。
以下に、エスプレッソ用の刃とドリップ用で挽いたものを比較。
エスプレッソ用の刃では、エスプレッソから中挽きの間で270段階で調節できるけど、
ドリップ用ではエスプレッソから粗挽きの間で270段階で調節できるということなのでかなり細かく粒度を調節したいならやはりエスプレッソ用の刃がいいと思う。
そして、「ドリップ用の刃」においては、エスプレッソ用にも挽けるので、中挽きぐらいにした時の粒の揃い具合は、正直やはりまあまあだなというのが私の印象。
あくまで私の印象ですが。
BARATZAは、エスプレッソ用を買うのが私はいいと思った。
今エスプレッソに関していうとFlairやROKを使っているんだけど、そろそろ電動買おうかなと思っている。
そして、そう思って早数年過ぎている。
何を買うかかなり悩む。
さて、最後に私以外にも刃を替える方がいると思うので、その詳細も紹介しておく。
ミル刃の替え方
まず、刃の替え方は以下に公式な動画がある。
英語だけど、言葉わからなくても全然大丈夫だった。
これを見るのがいちばん早い。
一応私も説明を。
届いたミル刃とホルダーはこんな感じ。
ドリップ用のミル刃と比較すると、エスプレッソ用の刃の方が上面は一回り小さく微妙に形状が異なっている。
ミル刃の外し方は、まず斜め下ぐらいからぐっと押すだけ。
するとホルダーとミル刃がとれる。
(最初私はかなり力が必要だったけど、慣れると結構すぐ外れる)
あとは、後ろのネジを外すだけ。
ちなみにホルダーはエスプレッソ用の方が支える箇所(矢印のところ)が多い。
付けるときは、平行にセットするために机の上に置いて、両手を使って、ぎゅっと押し込むだけ。
これも何度かすれば簡単にできるようになる。
ミル刃の替え方は思ったよりも簡単だった。
今回のこのBARATZAのSette270wiはスケールがついているので少々お高いけれど、スケールがついていないと価格はかなり下がってくる。
一般的に安い!と言える価格ではないかもしれないけど、エスプレッソ用のミルとしては購入しやすい価格だと思う。
とりあえず、今愛用中。
器具ってやっぱり愛着が湧くな。